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後遺障害の種類

脳の後遺障害

脳の障害については、脳細胞など身体組織がダメージを受けて変化した器質的損傷と、身体組織に変化が見られないものの、異常な状態になってしまった非器質的損傷かによって区分することができます。

器質的障害の中には、高次脳機能障害(器質性精神障害)と身体性機能障害(神経系統の障害)があります。

1 高次脳機能障害

脳外傷による高次脳機能障害の典型的な症状としては、認知障害(新しいことを覚えられない、気が散りやすいなど)、行動障害(周囲の状況に合わせた適切な行動ができない、複数のことを同時に処理できないなど)や人格変化(受傷前には見られなかったような、自発性低下、衝動性、易怒性)が見られます。

自賠責保険では、①脳の受傷を裏付ける画像検査結果があること②一定期間の意識障害が継続したこと③一定の異常な傾向が生じていること(三要件)が必要とされています。

認定されうる後遺障害等級には以下のものがあります。

後遺障害等級 後遺障害認定基準
別表第1

1級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

(補足:身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回りの動作に全面的介護を要するもの)

別表第1

2級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

(補足:著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体的動作には、排せつ、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの)

3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

(補足:自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、傷害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの)

5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

(補足:単純繰り返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの)

7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外に労務に服することができないもの

(補足:一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの)

9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

(補足:一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続能力などに問題があるもの)

 

2 身体性機能障害

脳外傷による身体性機能障害の典型的な症状は、手足に麻痺が残ってしまう場合です。

認定されうる後遺障害等級には以下のものがあります。

後遺障害等級 後遺障害認定基準
別表第1

1級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

(補足:生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要する状態)

別表第1

2級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

(補足:生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時他人の介護を要する状態)

3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

(補足:生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、身体性機能障害のため、労務に服することができない状態)

5級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

(補足:身体性機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができない状態)

7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外に労務に服することができないもの

(補足:身体性機能障害のため、軽易な労務以外には服することができない状態)

9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

(補足:通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの)

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

(補足:通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、多少の障害を残すもの)